当社のH.Pをご覧になられた方は、些細な疑問を抱かれたかもしれません。
「イノベーションって言葉は聞いたことあるけど、実際どういうものなの?」など、用語だけ独り歩きして、イノベーションの概念がイマイチつかみ切れて方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?
当社はイノベーション創出手法に基づいた問題解決型ビジネスに邁進しております。
まずは「イノベーションって何ぞや?」という方のために、簡単にご説明させてもらいます。
会社や組織・地域が今より少しでも新しく変化して前に進むのが「イノベーション」です。
グローバル化による国際競争が激しくなる一方の昨今、この国に限らず、世界中で求められているのがイノベーションです。
ここで言うところのイノベーションというのは、世界中で知らない方はいないんじゃないかという規模クラスのGoogleやAppleがやっているような革新的取り組みとかではなくて、
恐らくは、この時代に生きているほとんどの方が悩んでおられるような「うちの会社(組織)、新しい事業(取り組み)をやってみたいんだけど、なかなか出てこない…」とか「新しい企画をせっかく進めてきたのに、なぜか途中でボツになる…」など、とにかく会社が少しでもいいから新しく変化して前に進むにはどうしたらいいのか?ということの解決法を全部ひっくるめて「イノベーション」だと思ってもらえればよいかなと。
イノベーションがなぜ必要かと言うならば、圧倒的に外的・内的要因による競争と変化が激しくなっているからです。
日本は今さら言うまでもなく少子高齢化ですので、海外で勝負しなくてはいけない。さらに、今の時代ではデジタルの世界でも業界の垣根がなくなってきているわけです。
例を挙げるのであれば、保険業界が今もっとも恐れていることは何かというと、アメリカのAmazon米国が参入してくることだそうです。
当たり前と言えば当たり前の話で、Amazonほどの顧客接点を持つ企業が保険業界に入ってきたら、保険業界は完全アウトで消滅していくでしょう。
ところが、実際Amazonがすでに入ってきていて、海外ではもう業界の勢力図の書き換えが始まっているとのこと。
経営共創基盤の冨山和彦氏が興味深いことをおっしゃっています。
「デジタルが入っているところから順番に潰れていってる」と。
最初にやられたのが電機、そこから 流通 ⇒ メディア ⇒ 自動車の流れに差し掛かってきたとのことです。
これから数年以内には製薬にも及ぶと見られており、最後まで残るのが、おそらくアナログ系コンテンツかなと。なぜなら、アナログ系はデジタルから遠い対極に位置するものだからからです。
「既存の知」同士の新しい組み合わせ⇒『イノベーション』
そのような変化の激しい時代であるが故に、新しいことをやらなければいけない。
では、その新しいことをやるときの根本原理は何かというと、それは「既存の知」と「別の既存の知」の新しい組み合わせです。
言われてみれば当たり前のことで、人間というのは0から何も生み出せません。
0というのは何回掛け算しても0なわけで、イノベーションは何かと何かの組み合わせでしか成し得ないのですから。
人間は誰しも、パブリックでもプライベートでも新しいことを思いついた経験があるはずです。
そういうときって、ほぼ確実に、頭の隅で何かと何かを新しく組み合わせているものです。
例えば「こういう関係者やお客さんと新しく組み合わせてみたらどうか?」とか「こういう最アイデアで新しく組み合わせてみたらどうか?」などなど。。。
目の前にあるものを組み合わせてしまう
イノベーションを起こすには、このように色々と組み合わせをする必要があるのですが、人間というのは認知に限界があるので、どうしても自分が認知できる目の前にあるものだけを見て、それだけを組み合わせる傾向もあります。
今、日本でイノベーションに悩まれている会社の多くが、大企業か中堅の会社、つまり、歴史が長い会社です。創業100年とか、何十年も同じ業界、同じ場所にずっといるとか。。。
そして日本の企業は、いまだに新卒一括採用、終身雇用制度を続けており、そうすると、時間の経過とともに似たような人が集まってくるものです。
これも経営学的に分かっていて、人事の採用担当というのは、だいたい自分と似た人間を採る傾向があるからです。
似たような人が集まり、同じ業界、同じ場所に何十年もいたら、その時間軸の中で、既存の知を含めた知の組み合わせは散々やってきているはずです。
だから、知と知の組み合わせはやり尽くして、もう終わってしまっているわけです。同業他社も似たような状況に陥っているケースがほどんどなので時代に取り残された昭和・平成感満載の終わり方を辿っていたりする。。。
終わっている会社が終わっている会社のまねをしても、イノベーションは絶対出てこないですよね。。。
こうした状況から脱却するためには、目の前の知ではなくて、このグラフの縦軸のように、なるべく自分から遠く離れた知をたくさん見て、それをどんどん自社(自組織)に取り込んで、自分が持っている知と新しく組み合わせることがとてつもなく重要になります。
これは専門用語で「exploration(探索)」と呼ばれ、イノベーションというのは、基本的にすべてこの「exploration」から生まれます。
これまで日本で起きたイノベーションは、ほぼ全部このケースに該当します。
遠くを見て組み合わせるのが大事。
このように、遠くを見て組み合わせることが何より重要で、そしてたくさん組み合わることで収益化したり組織・地域・社会課題の解決に結びつけていく。
この方向で進めていけば上手くいくと思えたときに、その部分を徹底的に深掘りして成果に結びつけることを、専門用語で「exploitation(深化)」と言います。
イノベーションを専門とされている方には、ここまでの話の内容は言うまでもなくご存知かと思われますが、遠くを幅広く見て知と知を組み合わせる「探索」と、ここだけは徹底的に深掘りする「深化」というプロセス、この2つを同時に実施するのを専門用語で「両利きの経営=ambidexterity」と呼ぶわけです。
このような「両利きの経営」をバランス良くできる企業・組織・経営者・ビジネスパーソンをはじめとする各ステークホルダーが、世界標準のイノベーション研究において、イノベーションを起こせる確率が高いとされています。
イロヅクセカイ合同会社は、地域課題の解決をイノベーションの手法で解決に導くための業務に邁進しております。
デジタル分野でのスマートでスピーディーな解決手法ではなく、泥臭くも着実に地域のステークホルダー(各関係者)を巻き込んで、既知の知同士の新しい組み合わせから、これまでの取り組みでは解決に結びつかなかった社会課題等の問題解決を実現させていく。
それこそが、私どもイロヅクセカイの目指すべき共創社会の在り方だと考えています。